823円のダライアスを買うためにPS4の購入を真剣に考える
PS4に「アーケードアーカイブス」というダウンロード販売専用のシリーズがある。
アーケードゲームを忠実に再現しているだけではなく、バージョン違いや音源違いがある場合はそれらも収録するこだわりが評判のシリーズとなっている。
そのアーケードアーカイブスに今年夏から「ダライアス」が加わった。
最新シリーズは今年やはりPS4で発売された「ダライアスクロニクルセイバーズ」だが、そのダライアスシリーズの初代である。
この初代ダライアスがゲームセンターに並んだのは1986年、もう30年前だ。
ディスプレイ3画面分を使い、またボディソニックによる重低音の振動を味わえる大型の特別筐体が話題となった。
それだけではなく、水棲生物をモチーフにした1画面分を占める巨大戦艦のボスのインパクトや、高い音楽性など、シューティングゲームとしての出来も突出しており、今でも根強いファンが多くいる。
それだけに家庭用ゲーム機や携帯アプリなどへの移植が多くなされてきたが、オリジナルの3画面分の移植はさすがに不可能だった。
最も評価が高いのは、PCエンジンCD-ROM2の「スーパーダライアス」であり、これは自分も良く遊んだ。
非常にバランス良く3画面を1画面に収め、さらにCD-ROMの大容量を活かしてアーケードでは没にされたボスを復活させるとともに、音楽もアーケードのものを録音してさらにドルビーサラウンドにするという意欲的なものだった。
なおこのスーパーダライアスはWiiのバーチャルコンソールで配信されている。
とはいえこのスーパーダライアスも画面の比率などから完全移植ではなかった。
アーケードから30年がたち、ようやくPS4という最新のゲーム機で完全移植が実現したということになる。
3画面分をそのまま表示しているため、かなり横長のゲーム画面になっている。
昔のブラウン管のテレビと違い、ディスプレイがワイドになっていること、また最新ゲーム機により高解像度で画面を表示できることでこの完全移植が実現したと言える。
また音楽も当然当時のものが流れるが、このアーケードアーカイブス版ではボディソニック用信号を別に出力できるため、準備はかなり必要になるがアーケードの振動を再現することもできるようになっている。
さらにアーケードアーカイブスのこだわりとして、1画面分ずつ明るさや表示位置などを変えることができる驚きの仕様がある。
アーケードの筐体を知らない人には意味が分からないオプションだが、アーケードの大型筐体はモニタが3つあり、そのままつなげると枠が邪魔になるため、モニタ画面をミラーで反射させることで継ぎ目のない表示を可能にしていた。
すると、筐体の状態により、各画面ごとの色や明るさが違っていたり、継ぎ目の位置がずれていたりする。
こうした当時の筐体の状態を再現できるオプションが盛り込まれているということである。
昔を知っている人には感動もののオプションだと思う。
個人的には音楽性の高さが大きな特色のダライアスシリーズの中でも、この初代ダライアスの音楽は最高峰であり30年経った今でも色褪せていない。
特に最後のボス戦の「Boss7」は全ゲームミュージックの中でも上位に入る名曲とされている。
ドラムが使われていないことが特徴的で、荘厳さと最終戦の熱さを兼ね備えた稀有な傑作である。
ダライアスの最新作であるPS4のダライアスクロニクルセイバーズでは、こうした過去のシリーズ曲もふんだんに使われており、これもPS4の購入意欲を高めている。
もとは3画面の初代ダライアスを楽しむのであればやはり画面は大きいほど良いが、今は大型のテレビも安くなっているし、チューナーは外部録画機器等で賄うと割り切れば、テレビ機能のない大型ディスプレイだと50インチですら数万円で買える時代である。
クリスマスも近いことだし、昔の時代を目いっぱい楽しむための投資としてPS4を買うのも悪くないと思う。
なおアーケードアーカイブスはダウンロード専用だが、来年2月には過去のダライアスシリーズの音源を収録したサウンドトラックのセットとともに、この初代ダライアスの特別パッケージ版が付属した「DARIUS 30th ANNIVERSARY EDITION」の発売も予定されている。
定価が2万円近くするが、コレクションアイテムとしては良い、かもしれない。