ボルドー格付け5級のワインを覚える(その1)
ボルドー(メドック)格付けの全61シャトーのうち、5級に格付けされているシャトーは18あります。そのうち12はポイヤックAOCとなっています。
ここではこのボルドー格付け5級のシャトーについて簡単なコメントを記述します。
セカンドワインはもちろん、シャトー名のついたワインもリーズナブルで、また楽天など日本の通販サイトで手軽に購入することができるものも多くあります。
【シャトー・ポンテ・カネ】Chateau Pontet-Canet
ポイヤックAOC。ポンテは人名、カネは地名です。覚えやすい名前ですね。
【シャトー・バタイエ】Chateau Batailley
ポイヤックAOC。バタイエ(Batailley)は英語のバトルで、14世紀にフランスとイギリスの間に起こった100年戦争が名前の由来です。
【シャトー・オー・バタイエ】Chateau Haut-Batailley
オー(Haut、フランス語は最初のhの文字を発音しません)は英語のhighで、高地の意味です。シャトー・バタイエに隣接しています。最近(2017年)、同じく5級のシャトー・ランシュ・バージュを所有するカーズ家(Cazes)に買収されました。ポイヤックAOC。
【シャトー・グラン・ピュイ・ラコスト】Chateau Grand-Puy-Lacoste
ピュイは丘で、グランは英語のグランドですからグラン・ピュイは大きな丘という意味になります。ラコスト(Lacoste)は人名で、ブランドでも同名のLACOSTEがあります(こちらは何故かラコステという読みで日本では知られています)。オーナーのボリー氏は、格付け2級のシャトー・デュクリュ・ボーカイユを所有するボリー家の出身です。ポイヤックAOC。
【シャトー・グラン・ピュイ・デュカス】Chateau Grand-Puy-Ducassas
シャトー・グラン・ピュイ・ラコストと名前が似ていますが、これは同シャトーと同じ区画の畑をデュカス氏が購入したことに由来しています。ポイヤックAOCです。
【シャトー・ランシュ・バージュ】Chateau Lynch-Bages
ランシュは人名でバージュは地名です。(なおシャトーとは全く関係ないのですが、ランシュの英語読みはリンチで、私刑のリンチはアメリカで私的裁判を行っていたリンチ判事に由来しています。)品質の評価は非常に高く、「貧者のムートン・ロスチャイルド(Poor Man's Mouton)」とも呼ばれています。ポイヤックAOC。
【シャトー・ランシュ・ムーサ】Chateau Lynch-Moussas
シャトー・ランシュ・バージュと同じ畑が分割されて、2つのシャトーになったものです。ランシュは人名のとおり人名ですが、ムーサの由来はよくわかりません。
以上、まずは18のシャトーのうち7つのシャトーについて解説しました。