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横浜中華街の延平門はなぜ白虎門ではないのか

中華街にはいくつかの門があり、正式には牌楼(ばいろう)と呼ばれている。

いくつかと書いたが、合計10基ある。

中でも東西南北の4基は風水的にも特別な意味がある。

ちなみに中国では東西南北ではなく東南西北の順になる。

麻雀で言うトンナンシャーペーである。

 

東は青龍、南は朱雀、西は白虎、北は玄武という各方位の守護神がいる。

ここから、「龍虎相うつ」「青春・朱夏・白秋・玄冬」といった言葉が来ている。

中華街にもこの四神と呼ばれる守護神から名前を取った「朱雀門」「玄武門」がある。当然、朱雀門は南に、玄武門は北にある。

 

では西には白虎門、東には青龍門があるかというと、西は延平門、東は朝陽門という名前である。

これは何故かというと、西の門を建てる際にその地域の人たちが「白虎門」という名前をきらったからだという。

白虎隊を連想するからといった理由があったらしい。

 

そして、西が玄武門ではなくなった結果、東も青龍門とするわけにはいかなくなり、朝陽門という名前になったのだそうだ。

 

朝陽門が先に出来ていて、そのバランスをとるために白虎門ではなく延平門になったと説明しているサイトもあるが、逆である。

 

このような興味深いエピソードが書かれているのが、「横浜中華街 街づくりはたたかいだ(わが人生)」という本である。

著者は林兼正氏。日本国籍を取得した華人である。なお華僑は居住国の国籍は取得しないという違いがある。

こうした違いもこの本で知った。

 

また林兼正氏は中華街の名店「萬珍樓」の代表取締役社長であるが、実弟の林康弘氏はやはり中華街を代表する名店「聘珍樓」の代表取締役社長である。

 

といった中華街を少しでも知っている人からすると驚きの情報が色々と書いてあるし、また林氏が長くにわたって取り組んできた中華街の街づくりについても多くのことを知ることができる。

中華街の成り立ちや発展の経緯に関心のある方にとてもお勧めの書籍である。