ボルドー格付け5級のワインを覚える(その3)
ボルドー(メドック)格付け5級の18シャトーに関するコメントの続きです。
比較的知名度が低いシャトーが多いです。
【シャトー・ペデスクロー】Chateau Pedesclaux
ポイヤックAOC。シャトー名は当時のオーナーの名前から採られています。一時期はワインの生産も行われておらず、評価も低いシャトーでした。近年は大規模な整備が行われ、2013年からはボルドー格付け3級のシャトー・ディッサンのオーナー、エマニュエル・クルーズ氏も経営に加わり、評価を高めています。
【シャトー・ベルグラーヴ】Chateau Belgrave
オー・メドックAOC。シャトー名のベルグラーヴ(Belgrave)は、Belが英語のbeautifulで、graveがgravel(砂利、小石)となり、「美しい小石」の意味になります。ここもかつては忘れられたシャトーでしたが、名門ネゴシアンのドゥルト社が買収し、また有名ワインコンサルタントのミシェル・ロラン氏を迎えたことで近年非常に評価が高まっています。某漫画で「サラリーマンのシャトー・ラトゥール」として紹介されたことでも知られています。
【シャトー・ド・カマンサック】Chateau de Camensac
オー・メドックAOC。フランス語で道(小道)のことをshemin(シュマン)と言いますが、シャトー名のカマンサックは「水の道(chemin de l'eau)」から来ているそうです。やはりこのシャトーも知名度がなかったのですが、1960年代にスペインのシャトーを所有するフォルネール兄弟が買収して改革を進め、さらに著名ワインコンサルタントのミシェル・ロラン氏やエリック・ボワスノ氏も醸造を手掛けており、評価を高めています。
【シャトー・コス・ラボリ】Chateau Cos-Labory
サン・テステフAOC。コス(Cos)はこの地方の古い言葉で「小石の丘」の意味であり、メドック格付け2級のシャトー・コス・デストゥルネルなど他のシャトー名にも見られます。ラボリは最初のシャトー所有者の人名です。このシャトーも上記の他の3シャトーと同様、かつては評価が低かったものの改革により盛り返してきています。
以上、5級でもあまり知名度の高くない、逆に言えばコストパフォーマンスの高い4つのシャトーを紹介しました。