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ビッグバンセオリー シーズン1エピソード3の解説(その2)

Sheldon: Well, at least now you can retrieve the black box from the twisted smouldering wreckage that was once your fantasy of dating her, and analyse the data so that you don’t crash into geek mountain again.

 smoulderはアメリカでは普通smolderと書かれ、「いぶる、くすぶる」という意味です。smokeと同様の由来です。wreckageは「漂着物、残骸」という意味で、wreckは「難破」ですが、似たような言葉にwrack「難破船」があります。ちなみにrackはいわゆるラック(棚)で、棚に残されたというイメージで覚えると良いのではと思います。

少なくとも今は、彼女とのデートというかつての幻だった、ひしゃげてくすぶった残骸から、ブラックボックスを取り出してデータを分析すれば、またギーク(オタク)山に墜落するようなことはないよ、ということで航空機の事故になぞらえるシェルドン。

 

Sheldon: The dietician at the cafeteria with the limp and the lazy eye?

Leonard: Yeah.

 dieticianはdietと関連する語で「栄養士」。limpは「足をひきずること」で、この単語はlimb「手足(の1本)」と関連します。upper limbで上肢、lower limbで下肢です。

 

Howard: There are pitfalls, trust me, I know. When it comes to sexual harassment law I’m… a bit of a self-taught expert.

 self-taught は自分で教えられた、つまり「独学の」ということです。

 

Leonard: I was going to characterise it as the modification of our colleague/friendship paradigm, with the addition of a date-like component. But we don’t need to quibble over terminology.

 レスリーに誘いをかけるレナード。quibbleは「屁理屈を言う、はぐらかす」の意味で、questionによってはぐらかすといった由来があります。terminologyは、termにも「用語」という意味がありますが、こちらも「専門用語」という意味になります。

 

Lesley: Well, why don’t we just stipulate that the date goes well and move to the key variable.

Leonard: You mean, kiss you now?

stipulateは「規定する」。specify「明示する」と似ています。variableはvary+ableで、「変更可能な、変数」、key variableで「基本変数」となります。デートがうまくいって基本変数にまで至ったと規定する、ということは、その前にレスリーが言った、デートがうまくいったかどうかの評価は、主にお休みのキスの時の生化学的反応に基づいて決めるというセリフから、レナードは今キスするってこと?と言っているわけです。

 

Lesley: Fair enough. On the plus side, it was a good kiss, reasonable technique, no extraneous spittle. On the other hand, no arousal.

Leonard: None?

Lesley: None.

Leonard: Ah. Well, thank you for your time.

extraneousは「外来の、無関係の」で、extraは「余分の」、またドラマや映画などの「エキストラ」ですね。spittleは「つば」で、spit「つばを吐く」から来ています。arousalは覚醒という意味ですが、ここでは興奮という意味です。余計なつばはなかったけど興奮しなかった、という評価ですね。

 

Howard: So, how did it go with Lesley?

Leonard: Oh, we tried kissing, but the earth didn’t move. I mean any more than the 383 miles that it was going to move anyway.

意味が特に取りにくいところです。the earth didn't moveは、文字通りには地球は動かなかったということですが、実はthe earth movedで「(性行為が)良かった」という意味になります。さらにこのイディオムの由来はヘミングウェイの「誰がために鐘が鳴る」からだそうです。

次の383 miles・・・の下りですが、これは地球が太陽の公転軌道から脱出するために必要な速度のことです。

superbeefy.com

上記の下の方にそのことが書かれています。

レナードは、「キスをしてみたけど地球は動かなかった(=それ以上は何もなかった)よ、もっとも地球を動かすには秒速383マイル以上必要なんだけど。」と、earthのイディオムにかけて物理学者らしいことを言っているわけですね。

 

続きます。